過去の結果を見る
応募総数979本のご応募をいただいた第38回ファンタジア大賞が終幕いたしました!
最優秀作として《大賞》を受賞したのは、 圧巻の構成力とキャラクター表現力に加え、幕末の新撰組×魔術×エルフという斬新なコンセプトで独特の世界観と手に汗握る物語を作り上げた、『幕末マギカ 魔剣の侍とメスガキ魔術師エルフは異世界を修正しない』です。
ほかにも、ギャンブルとコメディを上手く融合させ、ハイテンションな高校生たちの学生生活を見事に描いた《金賞》の『女子高生にギャンブルはまだ早い!』にくわえて、SFとタイムリープを上手く掛け合わせ、絶望的な未来を救うために戦い続ける主人公を描いた、『SpaceGirls!』も見逃せません!
編集部特別賞・審査員特別賞も、圧倒的な個性を発揮したタイトルがそろい踏み!
時は幕末、開国より西欧の魔術が伝来した日本。京都は尊王や倒幕など様々な思想を持つ侍たちが血で血を洗う混乱の渦の中にあった。
そんな時代に魔術を使う異端の浪人・時代⼰道はいた。彼はある日、重傷を負ったエルフの少女・メスティーと出会う。
異人にして魔術師であるメスティーは、日本の魔術師たちに襲われていたのだ。
過去の記憶からメスティーを助ける⼰道だが、そこに現れた新撰組の天才剣士・沖田総司と剣を交えることになり──その天才的な剣技を前に致命傷を負う。
そんな彼をメスティーは決死の魔術で治療するが、その結果として彼女は魔術の力を喪ってしまう。
彼女に恩義を感じた⼰道はメスティーの旅に同行する決断を下し──
担当編集者様との最初の打ち合わせは「ペンネームは何にします?」でした。
このたび大賞を頂戴しました鞘童子と申します。
お察しの通りペンネームが変わっています。
ファンタジア文庫編集部様が良識ある方々だという証ですね。
そんな編集部の皆様、そして選考委員の先生方のおかげで、拙作は世に出る機会に恵まれました。
ペンネームは別として、作品そのものは全霊を注いで執筆しましたので、この結果は感に堪えません。
選考に携わられた方々の期待に応えるべく、今後は生まれ変わった気持ちで頑張る所存です。
ありがとうござぁい❤ます。
冒頭からすごく素敵でした。攘夷という江戸時代特有の排外思想……たしかに日本の外という意味で、外国人もエルフも一緒くたに攘夷の対象というのは説得力があり、
差別されているエルフが主人公に助けられるまでの流れに歴史的説得力が用意されているなど、ボーイミーツガールのお膳立てが素晴らしい。その上でのメスガキ魔術師エルフも可愛らしさ抜群でした。
非常に面白い。キャラクター、設定、文章力、あらゆる要素の平均点が高い。幕末+魔術という組み合わせを活かして剣客ものとしてよくできているし、幕末もののお約束もきちんと仕込まれている。
期待を煽る導入、メインテーマの提示、主人公のバックボーンが流れるように展開されており、読者を飽きさせないお手本のように綺麗な構成が印象的。丁寧な構成や展開、そして文章力は風格さえ感じた。
ラノベを構成する様々な要素において非の打ち所がない、素晴らしい傑作です!
歴史の流れが変わり、幕末にファンタジーが混ざった世界で、武士道を見失った主人公が己の武士道を取り戻していくストーリー。THE王道。そうだよ、こういうのを待ってたんですよ……!
最初は、えらく尖った世界観だなと思っていたのですが、それを上手くオリジナリティとして昇華している上、ただの奇抜な舞台装置設定だけに留まらせず、物語の根幹に絡めているところに思わず脱帽しました。
歴史ファンタジーとしての完成度が非常に高く、全体評価でも頭一つ抜けている。作者のこだわりが遺憾なく発揮された世界観や設定は見せ方が巧みで、ワクワクできる作品に仕上がっていた。
キャラクターについてもとても魅力的に描けていたが、一方で新選組という歴史上のキャラクターらはイメージの再現度は高いものの既存のキャラクター性から抜け出せていない印象。
とはいえ、それらのキャラの作り込みの面さえ改善すれば、大賞作品としてより相応しいタイトルになるポテンシャルを感じた。
ギャンブラー一家に生まれたギャンブル嫌いの高校生、狭山ヒロトは競馬場で予想を外し発狂する少女を見かける。少女はまさかのクラスの人気者、駒須七果だった!
見てみぬふりをしようとしたヒロトだったが、ヒロトを競馬好きの同志と勘違いした七果はヒロトに絡んでくるように。
ギャンブラーと関わると面倒――。そう思いつつも、七果が競馬でいくら負けたのか気になったヒロトは、つい距離を置きたいはずの七果やその友人たちとの交流を持って“しまう”。
そう。ギャンブラーの友人はギャンブラー。一見真面目そうな七果だったが、やはりそこはギャンブラーJKの巣窟で――?
ヒロトは七果たちギャンブラーにギャンブルをやめさせることはできるのか!?
女子高生×ギャンブル、異色の青春ラブコメ開幕!
この度は《金賞》をいただき、誠にありがとうございます。本作はギャンブルが好きな女子高生たちがメインのお話となります。
一般的にギャンブルというと、グレーなイメージがありますが、見方を変えれば非常に健全です。農林水産省管轄のもと、馬事文化の発展や馬産地の振興に寄与する活動こそが競馬ですし、
国土交通省管轄のもと、海洋・船舶に関する問題解決や上下水道の整備等の支援活動に取り組んでいるのがボートレースです。
そんな社会奉仕の精神が詰まった本作を評価して下さった選考委員、編集部の皆様には改めて感謝申し上げます。
ギャンブル中毒の女子たちを男子高生が眺める構図の楽しさ、いいですね! 競馬に詳しくない側の読者視点でも、なぜ競馬に魅せられるのかという当事者の感情がありありと描かれていてわかりやすかったです。
「強い馬はかっこいい」は他のギャンブルと差別化できる競馬ならではの魅力だし、ヒロインの「馬より可愛い生き物など存在しない」は名言かなと思います。
クライマックスに、この作品ならではの感情の盛り上がりや“胸に残る瞬間”を作れれば、更に面白くなるのではないでしょうか。
面白い。題材はピーキーだが、文章が上手いのでするすると読み進めることが出来た。とにかくキャラクターが良い。ラブコメのような顔をしておきながら駒須、八代、峰先輩と、登場するヒロインたちが全員ギャンブル狂いでまったくヒロインしていないのが面白い。
とにかくコメディパートが軽妙で、読んでいてキャラクター同士のやりとりがきちんと笑える点は高評価。惜しむらくは、全体通して物語の流れが微妙に掴みづらかったことと、クライマックスの展開がやや尻すぼみだったこと。
しかし総じて文章に安定感があり、特にギャグパートにおける台詞回しや間の取り方が巧みで、コメディとしての完成度は高い。
ギャンブルというやや不健全なネタを主題としているのに、なぜか爽やかな青春物語展開が印象的で、作者のギャンブルへの愛が伝わりました。この作品はキャラクターが全員個性豊かで魅力的。
ギャンブル狂いの三人の少女達のそれぞれの方向性のイカれっぷりも楽しいし、脇役の男連中もキャラが濃くて面白い。
そういったアクの強い連中との日々のやり取りや、会話の面白さがこの作品の最大の特徴でありウリだと思いました。ラノベとして、構成、文章力、物語構造が巧みで、技量面では特に文句のつけようがありません。
謎の生命体BIOSによって人類は滅亡した。偶然生き残った双見ツヅミはある日、BIOSと戦うために特殊能力を獲得した少女、スペースガールズと出会い旅をすることに。
しかしその途中、ラトテップと呼ばれるBIOSに殺されてしまうが、同じく瀕死だった少女の力によって記憶を保持したまま人生をやり直すことに。転生の影響か、未来視の能力も手に入れ、今度こそは人類滅亡の未来を変えてみせると決意する10歳の彼の前に現れたのは、まさにあのスペースガールズに瓜二つの少女だった。
蒼穹ステラと名乗る少女と互いに世界を救うために頑張ろうと約束を交わす。6年後、スペースガールズを育成する学園で再開することになるが──?
この度は栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。選考委員と編集部の皆様に感謝申し上げます。中学生の頃、初めて購入したライトノベルがファンタジア文庫の作品であり、それからファンタジア文庫のことを親だと思って生きてきました。
怒られるかもしれませんがライトノベルは可愛いヒロインと熱いバトルを書いて印税が貰える最高の職業だと思っています。秋葉原にタワマンを買えるヒット作を生み出せるように今後頑張っていきます!
地球滅亡という近未来SF的な要素がありつつも、タイムリープや異能力など王道の要素がしっかり詰められているおかげで読みやすかったです。冒頭、人類が滅亡した世界で主人公とヒロインが旅をするくだりはとても良かった。
ポストアポカリプスな世界を旅するのは、廃墟を散策するような奇妙な安らぎと寂しさがなんとも魅力だと思います。
主人公の魅力についてはもう少し、読者が「これぞ主人公だ」と言えるように改稿されるとグッと良くなるのではないかと感じました。
細かい部分で「惜しい」と感じる部分はあれど、全体としては読後感も良く、とても面白い作品だった。タイムリープで絶望的な未来をやり直す話は、今やベタなテーマではあるがやはり好き。
作中で撒いた種をきちんと回収して、印象的な展開に繋げている部分は好感を抱いた。
コメディ要素もほど良いバランスで、トータルは素晴らしいのだが、タイムリープものは大仕掛けを発動させるまでの話をどう面白く読ませるかが非常に重要だと思っているので、そこにもう一工夫あったらなお良かった。
まずはSFという難しいジャンルに挑んだ、作者のチャレンジング精神に敬意を表します。
冒頭での圧倒的な絶望から、主人公が時間回帰して歴史の流れに介入し、未来を変えるために奮戦するという流れはまさに王道であり、とても好印象です。
全体としても起承転結が上手くまとまっています。応募時原稿にはやや辛口な評価になった部分もありましたが、この作品の世界観や設定は非常に面白く、久々に良質なSFの予感がします!
必ず素晴らしい作品に仕上がるでしょう。
創遺物と呼ばれる、ブラックジョークのような現象がこの世界には存在する。それはクリエイターの死後、創作への執念が歪んだ形で誕生するため、ときとして人類の脅威になりうるのだった。
たとえば「必ず当たる防災予報を作りたい」という願いが「自ら災害を引き起こす」〈絶対天気〉という創遺物に歪んだ結果、今や関東地方は誰も踏み入れない気象災害の地となってしまったように……。
少女・シャムは脱走兵であることを隠し、友人の少年・ポチの通う高校に身を潜めていたが、ある日、その正体がバレてしまう。
しかも見逃す条件として“とある創遺物”を軍より先に討伐するように求められ──!?
尖った世界観が鮮烈な異能バトルファンタジー!
このたびは審査員特別賞という輝かしい賞を頂戴し、誠にありがとうございます。選考に携わった関係者の皆様に、厚くお礼申し上げます。
本作ですが、入賞時にかなりの粗削りという評価をいただきました。それでも世に出せる運びとなったのは、可能性を見出してくださった先生や編集部の方々がいらっしゃったおかげです。
せっかくのご期待を裏切らないよう、そして誰より読者の方々に「おもしろかった」と喜んでいただけるよう、精一杯頑張ってまいります。
強すぎる願い、祈りが、かえって他人を傷つける呪いになる。お話のテーマは多くの人が共感できるところがあると思いますし、それがモンスター化するという「ブラックジョーク」が闊歩する世界。とてもユニークかつ拡張性のある世界観だと思いました。
一方で文章の読みにくさというか情報量の多さが少し気になる部分もあり、オリジナル世界で描写不足を気にされているのは伝わりつつ、一つ一つの情景説明などの情報量を落とすことでキャラを立たせることもぜひ検討してもらえたらと思いました。
独自性のある設定と世界観が本作の最大の魅力。とにかく『創遺物』の設定が秀逸で、得体の知れなさがありつつも、きちんと練られていて物語を彩るスパイスとして効果的に機能していた。
キャラクターも良い。主人公であるシャムはもちろん、敵キャラたちも狂人揃いで面白い。難点としては『創遺物』の設定といい、物語の展開といい、全体的にややテクニカル過ぎるところか。
面白いは面白いのだが、総じて読解ハードルが高めな印象。総評としては、設定、物語、キャラクター、全てに独自の魅力があり高評価だが、その一方ちょっと読み解くのが難しいところがある、といったところ。個人的にはかなり好き。
非常に特殊な世界観を、恐ろしく高いレベルで物語に落とし込んだ現代ファンタジー。創作物が、作った人の思いがねじ曲げられる形で発現し、災害を振りまいているという尖りに尖りまくった世界の設定が素晴らしいです。
しかも、全体を通して非常に計算された緻密な伏線とストーリー、クライマックスの盛り上がりからオチまで完璧。
技術的に非常に高いレベルの作品であり、作品の構成の完成度という観点からは僕の目線からは隙がない作品でした。ゆえに、全体的にもっと描写を丁寧に、分かりやすくすることが、この作品の最大の課題でしょう。
セックスがしたい。詩織とセックスがしたい。義理の兄妹だとか、禁断の関係だとか、そんなことはどうでもいい。俺は詩織のことが大好きだ。
そして、詩織も俺のことを心から愛してくれている。今すぐにでもつながりたい、ひとつになりたい……俺も詩織もそう想っている。なのに……それなのに!
元ヤクザの両親(再婚同士)によるネチッっこい妨害工作(まぁ当たり前っちゃ当たり前)!! 俺たちと同じ高校に通っているクセの強すぎる友人たち(詩織の友達もヤバい女の子ばっかり……)が巻き起こす想定外のトラブルの嵐(詩織がすごく嫌がってる)!!!
俺と詩織は『ハッピーエンド』を迎えることができるのか……。とにもかくにも、俺たちの恋路には邪魔なものが多すぎる。
この度は私の作品に、『編集部特別賞』という身に余る光栄を授けていただき、本当にありがとうございます。
選考委員の先生方、編集部の皆様、そして選考に携わってくれた全ての方々に、厚く御礼申し上げます。ガラケーでポチポチ書き始めた小説家としての夢、そのスタートラインに立てた喜びで、胸がいっぱいです。
いただいた栄誉に恥じぬよう、小説家として全力で精進、邁進していく所存です。どうかこの緋色友架なる小説家を何卒、よろしくお願い致します。
……あんなあらすじ書かせる作者のコメントが、こんな真面目でいいんですかね?
キャラが凄く良かったと思います。義妹系ヒロインである詩織の肉食ぶりはもちろん、生徒会メンバーもキャラが立っており、それぞれビジュアルをぜひ見てみたい気持ちになりました。
えっち系ラブコメはこれまでの選考でも人気を博していましたが、ここまで来ると下ネタ系ラブコメというべき感じで……これをファンタジア大賞としてどう評価すべきかすごく悩ましかったです。(笑)
理想を言えば、下ネタ系で尖らせるのは勿論良いのですが、各キャラ、下ネタ以外にも強い特徴があるとさらに面白くなるのではという気がしました。
ありがちな導入──と思いきや、いきなりアクセルべた踏みで笑ってしまった。
インパクトあり。元ヤクザで何でも屋の父、京都弁の母、曲者揃いの生徒会――と、キャラクター周りがなんだかものすごくクラシカルな立て付けで、懐かしい気持ちになった。
とはいえ、もはや一周回って新しいのかもしれない。キャラや掛け合いが個性的なのは高評価。クライマックスに向けての展開に、説得力をもっと盛り込めると更に良かったと思う。
登場キャラクター達が個性豊かで非常に魅力的。全体的にノリと勢いが凄まじく、最後まで一気に読めました。
物語の構成・構造も素晴らしく、高い技量を感じさせます。起承転結もはっきりしており作品としてのレベルは非常に高いと思います。
一方で、主人公に対する読者の感情移入の導線がいまいち足りていない印象を受けました。等身大のキャラクターでありつつも、どこか読者が特別に感じられるような魅力を補うことができれば必ず化ける作品になると思います。
改稿を楽しみにしております。
【プロフィール】
第18回《佳作》受賞作「黄昏色の詠遣い」でデビュー。現在刊行中の「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」はTVアニメSeasonⅡまで放送されるなど人気を博している。
【総評】
今回の選考会では、独自の世界観や雰囲気の構築で目を引く作品が多かったという印象です。特に現代を舞台にしたラブコメ作品においては、どのヒロインも非常に個性的で、キャラクター単体として大変魅力的だったと思います。
ただ、その一方で、これだけ魅力的なヒロインが惚れるのであれば、主人公にもそれに釣り合うだけの輝きがあってほしい、と感じる場面も少なくありませんでした。
物語の中で、主人公とヒロインが双方とも活躍できる見せ場があれば、二人の関係性はより輝きを増したはずです。
キャラクターという核の部分はどの作品も素晴らしいものを持っていたので、いずれも改稿を経た上で、より高みを目指せるポテンシャルに満ちていると感じました。
【プロフィール】
第20回《準入選》受賞作「蒼穹のカルマ」でデビュー。第2作「デート・ア・ライブ」は様々なメディアミックス展開がされる大ヒットとなり、現在は「王様のプロポーズ」を刊行中。
【総評】
今回〈大賞〉を受賞した『幕末マギカ』は、構成力、キャラクター、文章力、その全ての平均点が高く、完成度という意味で頭一つ抜けていました。その安定感があったからこそ、私も自信を持って強く推させていただきました。
しかし、他の作品も全く異なるベクトルで、それぞれが強力な「武器」を持っていたのが今回の特徴です。
『SpaceGirls!』のしっかりと構成された王道タイムリープものとしての面白さ、『女子高生にギャンブルはまだ早い!』のぐいぐい読ませるコメディセンス、『ふたりの恋路を邪魔する奴は愛に阻まれ散るがいい』の読者の心を掴む出だしのインパクト、
そして『ブラックジョークに支配された世界』が持つ世界観一点突破の鋭さ。
同じ点数で並んだ作品でも、評価するポイントが全く異なりました。キャラクターが面白ければ、どんな題材でも物語は面白くなるのだと改めて痛感させられた、非常にバリエーション豊かで楽しい選考会でした。
【プロフィール】
第26回《大賞》受賞作「ロクでなし魔術講師と 禁忌教典(ルビ:アカシックレコード)」でデビュー。同作が大ヒット作となり、現在は「これが魔法使いの切り札」を刊行中。
【総評】
今回の最終選考に残った作品は、どれも必ず「尖った」部分を持っていました。既存の流行を追うのではなく、作者それぞれが「自分だけの固有の世界観を作るんだ」という強い意志を感じさせる作品ばかりで、読んでいて非常に楽しかったです。
ただ、その素晴らしい世界観を最大限に活かすためには、主人公とヒロインにもう少しだけ「一本筋の通ったもの」が必要なわけで——例えば、絶対に譲れない信念のようなものがあれば、物語はさらに深みを増したのではないかなと思う部分もありました。
これだけレベルの高い作品が集まる中で、頭一つ抜け出すためには、やはりキャラクター性にどこまでこだわり、力を注げるかが今後の差になってくるのかもしれないな、と感じた選考会でしたね。素敵な作品たちを今回もありがとうございました!
今回も、様々な切り口の、非常に面白い作品をご応募いただけたことを嬉しく思います。SFからラブコメまで、非常にジャンルの幅が広く、多彩な才能に出会える素晴らしい選考会でした。
Web小説が全盛の今、新人賞という場で「一冊の本として、最後まで読み切った上で面白いかどうか」を問うことの意味は、より大きくなっていると感じています。その中で評価の軸となるのは、やはり「キャラクター」です。
主人公をどれだけ格好良く、ヒロインをどれだけ可愛く描けるか。みなさまのこだわりを期待しています。
また、今回の受賞作品は歴史物・SF・ギャンブルなど、多様なテーマの作品が光りましたが、直球王道なファンタジー作品・ラブコメももちろん期待しています。みなさまが得意な、渾身のテーマでの挑戦を期待しています。
これからもファンタジア文庫は、ご応募頂きました原稿を素敵な1冊の本として届けられるよう努めて参ります。
引き続き応援よろしくお願いします。
お待たせしました! 第38回後期ファンタジア大賞入選作、ついに発表です!
応募総数450本の激戦を見事勝ち抜き、最終選考に臨むのは、個性あふれるこちらの3タイトルです‼
愛噛藍伽
セックスがしたい。詩織とセックスがしたい。義理の兄妹だとか、禁断の関係だとか、そんなことはどうでもいい。俺は詩織のことが大好きだ。そして、詩織も俺のことを心から愛してくれている。今すぐにでもつながりたい、ひとつになりたい……俺も詩織もそう想っている。なのに……それなのに! 元ヤクザの両親(再婚同士)によるネチッっこい妨害工作(まぁ当たり前っちゃ当たり前)!! 俺たちと同じ高校に通っているクセの強すぎる友人たち(詩織の友達もヤバい女の子ばっかり……)が巻き起こす想定外のトラブルの嵐(詩織がすごく嫌がってる)!!! 俺と詩織は『ハッピーエンド』を迎えることができるのか……。とにもかくにも、俺たちの恋路には邪魔なものが多すぎる。
最初から最後まで『セックスがしたい』と言い続ける男女ふたりの物語。愛し合うふたりが恋路の道程(どうてい)で数多の試練を乗り越えていく怒涛の展開! 熱くて笑える、ロマンス×エンターテインメントです!!
メス垣わからせ坊
時は幕末、開国より西欧の魔術が伝来した日本。京都は尊王や倒幕など様々な思想を持つ侍たちが血で血を洗う混乱の渦の中にあった。そんな時代に魔術を使う異端の浪人・時代⼰道はいた。彼はある日、重傷を負ったエルフの少女・メスティーと出会う。異人にして魔術師であるメスティーは、日本の魔術師たちに襲われていたのだ。過去の記憶からメスティーを助ける⼰道だが、そこに現れた新撰組の天才剣士・沖田総司と剣を交えることになり――その天才的な剣技を前に致命傷を負う。そんな彼をメスティーは決死の魔術で治療するが、その結果として彼女は魔術の力を喪ってしまう。彼女に恩義を感じた⼰道はメスティーの旅に同行する決断を下し――
ファンタジー×幕末という人気のある組み合わせを描いた筆力は見事。何より沖田総司の存在感が世界観に確かな説得力を持たせていました。何より魅力的なエルフのヒロインにも大注目です。
不破貞仁
謎の生命体BIOSによって人類は滅亡した。偶然生き残った双見ツヅミはある日、BIOSと戦うために特殊能力を獲得した少女、スペースガールズと出会い旅をすることに。しかしその途中、ラトテップと呼ばれるBIOSに殺されてしまうが、同じく瀕死だった少女の力によって記憶を保持したまま人生をやり直すことに。転生の影響か、未来視の能力も手に入れ、今度こそは人類滅亡の未来を変えてみせると決意する10歳の彼の前に現れたのは、まさにあのスペースガールズに瓜二つの少女だった。蒼穹ステラと名乗る少女と互いに世界を救うために頑張ろうと約束を交わす。6年後、スペースガールズを育成する学園で再開することになるが――?
最初から最後まで飽きさせることのない怒涛の展開。プロローグから一気に作品世界に引き込ませる文句なしの筆力。キャラクターひとりひとりの作り込みも丁寧で、少年少女たちの初々しい青春もしっかりと楽しめました。
今後は、上記の前期入選作に現在募集中の後期入選作を加えた、豪華作家陣による最終選考を経て、第38回ファンタジア大賞の受賞作を決定してまいります!また、一次選考を通過された皆様には、マイページにて10段階の評価シートを送付いたしました!評価シートを参考に、ご自身の長所や改善点を把握して、よりレベルアップした作品をつくりあげてください!
第39回前期の募集は8月末締切!皆様のご応募を心よりお待ちしております!!
お待たせしました!
第38回後期ファンタジア大賞、
大激戦の三次選考が終了しました。
どれも粒ぞろいの応募作がひしめくなか
四次進出を果たしたのは、以下の7タイトルです!
この中で見事入選を果たす作品は一体……!?
今後の選考も見逃せませんよ!
この中から、細音啓、橘公司、羊太郎、ファンタジア文庫編集長による最終選考会に進出する「入選作」が決定します。
結果発表は当ページとファンタジア文庫公式SNS上にて行います。
全体の選考経過、結果発表は当ページとファンタジア文庫公式SNS上にて随時掲載いたします。
第39回前期ファンタジア大賞の応募もお待ちしております!
ファンタジア大賞を引き続きよろしくお願いします。
皆さま、お待たせしました!
第38回後期ファンタジア大賞も中盤戦に突入!
二次選考結果を発表させていただきます!
今回の応募作も、同時代性を感じる挑戦作や、
キャラクターがイキイキと活躍する新規作まで、
応募者のみなさんのきらりと光るセンスを感じます!
そんな中で、今回二次通過を果たしたのは、下記の45作品です!
三次選考結果は、2025年6月20日頃の発表予定です!
引き続き、ファンタジア大賞をよろしくお願いいたします!
お待たせいたしました!
第38回後期ファンタジア大賞の一次選考通過作品をお知らせします!
応募総数517本の中から一次を突破したのは、ご覧の127本です!
こちらの作品は、後期審査終了後に10段階評価表をお送りしますので、
楽しみに待っていてくださいね! ※ゲスト投稿作品を除きます。
二次通過作品の発表は5月下旬予定です。
引き続き、よろしくお願いします!
お待たせしました! 第38回前期ファンタジア大賞入選作、ついに発表です!
応募総数529本の激戦を見事勝ち抜き、最終選考に臨むのは、個性あふれるこちらの2タイトルです‼
とおさー
競馬好きの高校生狭山ヒロト(賭けていない)は競馬場で予想を外し発狂する少女を見かける。少女はまさかのクラスの人気者、駒須七果だった! 見てみぬふりをしようとしたヒロトだったが、競馬好きの同志として七果はヒロトに絡んでくるように。
ギャンブラーと関わると面倒――。そう思いつつも、七果が競馬でいくら負けたのか気になったヒロトは、七果の所属する「簿記部」に入部することに! 一見真面目そうな簿記部だったが、やはりそこはギャンブラーJKの巣窟で――? ヒロトは七果たちギャンブラーにギャンブルをやめさせることはできるのか!? 女子高生×ギャンブル、異色の青春ラブコメ開幕!
異色の組み合わせでありながらも、主人公による内からの冷静なツッコミとアウトなはずなのにどこか共感ができてしまうヒロインたちのキャラクター造形が印象的。個性豊かなキャラ同士の軽妙なやり取りのコミカルさに没入してしまいました。
切身 智
創遺物と呼ばれる、ブラックジョークのような現象がこの世界には存在する。それはクリエイターの死後、創作への執念が歪んだ形で誕生するため、ときとして人類の脅威になりうるのだった。たとえば「必ず当たる防災予報を作りたい」という願いが「自ら災害を引き起こす」〈絶対天気〉という創遺物に歪んだ結果、今や関東地方は誰も踏み入れない気象災害の地となってしまったように……。
少女・シャムは脱走兵であることを隠し、友人の少年・ポチの通う高校に身を潜めていたが、ある日、その正体がバレてしまう。しかも見逃す条件として“とある創遺物”を軍より先に討伐するように求められ――!? 尖った世界観が鮮烈な異能バトルファンタジー!
荒削りな部分もありつつ、とにかくオリジナリティが光っていた作品。世界観はもちろん主人公であるシャムも新しい造形で、読んだ瞬間からある種のインパクトがありました。能力モノとしてのワクワク感も◎です。
入選まで、あと一歩……!
四次選考落選作品
今後は、上記の前期入選作に現在募集中の後期入選作を加えた、豪華作家陣による最終選考を経て、第38回ファンタジア大賞の受賞作を決定してまいります!また、一次選考を通過された皆様には、マイページにて10段階の評価シートを送付いたしました!評価シートを参考に、ご自身の長所や改善点を把握して、よりレベルアップした作品をつくりあげてください!
第38回後期の募集は2月末締切!皆様のご応募を心よりお待ちしております!!
お待たせしました!
第38回前期ファンタジア大賞、
大激戦の三次選考が終了しました。
どれも粒ぞろいの応募作がひしめくなか
四次進出を果たしたのは、以下の6タイトルです!
この中で見事入選を果たす作品は一体……!?
今後の選考も見逃せませんよ!
この中から、細音啓、橘公司、羊太郎、ファンタジア文庫編集長による最終選考会に進出する「入選作」が決定します。
ドラゴンマガジン3月号(1月20日発売)及び当ページにて行います。
第38回後期ファンタジア大賞の応募もお待ちしております!
ファンタジア大賞を引き続きよろしくお願いします。
皆さま、お待たせしました!
第38回前期ファンタジア大賞も中盤戦に突入!
二次選考結果を発表させていただきます!
今回の応募作も、同時代性を感じる挑戦作や、
キャラクターがイキイキと活躍する新規作まで、
応募者のみなさんのきらりと光るセンスを感じます!
そんな中で、今回二次通過を果たしたのは、下記の29作品です!
三次選考結果は、2024年12月20日頃の発表予定です!
引き続き、ファンタジア大賞をよろしくお願いいたします!
お待たせいたしました!
第38回前期ファンタジア大賞の一次選考通過作品をお知らせします!
応募総数529本の中から一次を突破したのは、ご覧の91本です!
こちらの作品は、前期審査終了後に10段階評価表をお送りしますので、
楽しみに待っていてくださいね! ※ゲスト投稿作品を除きます。
二次通過作品の発表は11月下旬予定です。
引き続き、よろしくお願いします!